嗚呼、麦酒が旨い

今まで麦酒は酔う為に求めても、自分から楽しむ為に飲むものではなかった。付き合い麦酒が圧倒的に多い。むしろワインや日本酒ほどに強くないから麦酒を選ぶくらいなものだった。


ブリュージュの運河沿いを自転車で半周し、風車を観光した後に目に付いた街角の居酒屋に入る。そこで適当に注文してみたベルギービールはGRIMBERGENのDARK。空気がからりとして涼しい風が吹きながらも、陽は見かけ以上に力強いようで、直射日光下の鉄枠は触った瞬間に手を引っ込めるほどに熱くなる。そんな真っ青な空の下でキンキンに冷えたビールを飲む。

甘く芳醇な口当たりの後にどっしりとコクが追いかけてくる。べっとりとした甘さではなく酸味と苦味の混じった深みがある。度数は6.5%

グラスを頭上にかざすと陽が差してなんとも美しい。泡が焦茶色から黄色までのグラデーションを呈す。予想外に旨い。そうなるとこのGRIMBERGENの商標にも愛着が沸く。鷲のアイコンに黄色と黒。ベルギーらしいではないか。

LEFFEも良いと思ったがGRIMBERGENのほうが好みのようだ。ボトルを何本かマニラに持ち帰ろうかと思う。日本でも麦酒が好きでたまらないような麦酒党ならばベルギー麦酒は堪らぬに違いない。