Absinthe

緑色の液体の酒を時折欧州では見かける。同僚の子が友人に買ってくるように頼まれたというこのアブシンスという酒だが、チェコ原産かと思いきや欧州で比較的一般的らしく、様々なエピソード故に密かな人気のある酒のようだ。

ニガヨモギで作ったお酒の一般名だそうで、目にするブランドの殆どはアルコール度数が70%前後ある。ものによっては83%のものもあるらしい。ただ強いだけならロシアのスピリタスもある。

この酒を際立たせているのは近年まで多くの国で販売が禁止されていた非合法酒であるかららしい。比較的廉価で強い上にその魅惑的な色から芸術家の間で愛され、ゴッホロートレックなど多くの著名人が身を滅ぼしたらしい。

アブシンスはここプラハでは比較的良くみかけることができる。アブシンス専門店などというものも観光客の集まる一角にはあり、各種ブランドのほかアブシンスソフトクリームなどというものもあった。試しに食べてみたが、酒らしさは殆どせず、着色料然とした緑色のソフトクリームだという印象だ。若干特有の香りがして、味はなかなか美味しい。

バーではショットに火をつけて青い炎を灯し、ストローで一気に飲み干す。白いアブシンスは安物で味が悪く、緑でないとならないと友人は言っていた。