朋有り、遠方より来たる。亦た楽しからずや.

神戸時代の友人2人が遊びに来てくれた。どちらかというとそれぞれ別友人グループの友人のように感じていた2人が恋人同士というのは何か嬉しい。

数年前からメキシコで働いていると言う男友達からの誘いを受け、今年の秋からメキシコで一緒に暮らすという女友達。友人も世界に皆どんどんと出て行きますなあ。メキシコで家庭を築いたら遊びに行きたいなあなどと勝手な期待をしている。

日本からはたくさんの素晴らしいお土産を買ってきて頂いてしまった。無洗米こしひかり、茜丸の五色銅鑼焼き、その他菓子類、腹下しの薬、歯磨き粉、活字に餓えている私達に嬉しい東洋経済、そして極めつけはメキシコからわざわざ買って来てくれたDonJulio。このDonJulioというテキーラはとても美味しいにも拘らず何故か日本でもフィリピンでも売っていないお酒。昔、小生がDonJulioという飲み会サークルを主催していたことも友人に指摘されて思い出した。手に入らないDonJulioの味を偲びメキシコ帰りの友人と美味しいものを食べて飲む会だった。友人は好みが判っているので土産がどれも素晴らしい。好きな食物が一番幸せになる。

同じコンドミニアムに住む先輩夫婦と妻の友人も招いて皆でわいわいがやがやとたこ焼きパーティーで盛り上がる。やはり大阪人と神戸人だけあって手際がよい。しかも焼きあがった形も良い。妻も数品他に料理を作ってくれた。スペインで買ったマンチェゴチーズが期待以上に美味しく、旬で甘味を増したマンゴーとポメロも友人に喜んでもらえたようだ。さらにベルギーからスーツケースに詰め込んで買って帰ってきた麦酒Grimbergenを5種類にチェコ麦酒2種、さくらんぼの麦酒Kriekを飲み比べながら熱々のたこ焼きを頬張る。なにか神戸の粉モノ屋でビール飲んでいる気分だ。ちなみに飲み比べた結果としてはどうやらブロンドよりダークのほうが好みらしい。

次第に我慢できなくなりDonJulioを開けて舐め始める。Reposadoはやはり飲み口が柔らかく美味しい。これを味わうことなくショットで一気に飲み干すなんてのは勿体無さ過ぎる。何せ刺々しさが無くて酒の弱い自分にも飲み易い。

好奇心はさらに広がり、チェコで買ってきたAbsintheを開けてみた。緑色の綺麗なアルコール分73%のお酒。ほんの少しをキャンドルホルダーに注ぎ火をつけて部屋の灯りを消してみた。すると青い炎を上げて暗闇の中で幻想的に燃える。アルコールは一瞬にしてすぐ炎上するのかと思ったのだが、意外と時間をかけて燃えるものだ。そういえばアルコールランプなんてものもあるしな。Absintheランプというのもお洒落で贅沢かもしれない。ストレートで少し舐めてみると、一瞬で口の中一杯を香草のような香りが広がる。この酒は面白い。芸術家を滅ぼした魔酒と言われただけのことはある。中でも多少値の張るブランドを買ってきたこともあるのか、ゲテモノなイメージと裏腹に味も悪くない。

日付が変わる頃まで食べて飲んだ。やはり酒は皆で飲むのが旨い。