御老体

また日程が詰め込みすぎの様相を呈してきた。

日曜の朝3時半に帰国する韓国人を見送る為に起き、寝れぬまま9時に自分もベルギー行きの飛行機に乗るべく空港に向かう。

13時間のフライトでアムステルダムに着き、国内線に乗り換えたのだがここでアクシデントに見舞われる。整備不良が判明し、機体を乗り換える羽目に。結局2時間近い遅延。ジャンボジェットのビジネスクラスで待たされる分には悪くないが、長旅の後に小型機の狭い機内に長時間閉じ込められるのは一層疲れる。結局Doar-to-doarで27時間。

ホテルには0時過ぎに着き、不運にも翌朝5時半から監査報告会議。先週から今週に、先方の都合で延期されたのでいい迷惑だ。それから月曜日から木曜日まで朝9時から18時までみっちりと来期事業計画策定会議が続く。同僚とのディナーが正直面倒で仕方が無い。独りでムール貝をバケツに一杯食べに行くほうが良い。

来週の月曜発で火曜の朝9時にマニラに戻るがその日も会議は目白押し。逆算するとその為のレビューは週末にやらないといけないことになる。日程を洗うと億劫な気分になる。

救いは週末にパリの郊外に友人を訪ねに行くことか。ホテルではなく友人の家に滞在するほうがその国の生活の雰囲気が味わえて楽しい。パリは20年以上前に訪れたきりだが、宮殿やら塔やらの観光地よりもそこらの朝市だの雑貨屋だの喫茶店だので漫然と時間を過ごしたい。国や地域を100は訪れたいと思っていたが、最近は未知の国よりも友人知人のいる国が優先されがちになってくる。初夏のポーランド出張も近隣にはバルト三国やノルディックなど行ったことの無い国がたくさんあるのだが、結局ルーマニアの友人を訪ねて終わりそうだ。

旅への熱意は変わらぬつもりが、長距離移動への倦怠感を時折感じるようになってきた。昔は15時間の夜行バスや22時間の長距離列車なんてんも平気だったのだが。旅先では、新たな発見や刺激よりも癒しや寛ぎを求めるようになってしまったことも友人知人を優先しがちになってきた理由かもしれない。これは気の老いではあるまいか。