ムンバイダイブ
ムンバイきっての観光地は印度門。英国のアルバートだかの訪印を記念して造られたらしい。別に門の上に上れるわけでも、門としてくぐれるわけでもない巨大な置物にしか過ぎないのではあるが。
そして印度門のすぐ脇にはかの有名なタージマハルホテルが建つ。タタ財閥の総帥が若き日にホテルに泊まろうとした際に、犬と印度人はお断りと追い出されたことに発奮し、印度人の泊まれる最高級ホテルを印度の玄関口に建てたというのがその由来。一昨年にはモスリム系テロリストが立て籠もり、150人近くのビジネスパーソンや観光客を殺害した凄惨な現場でもある。
両者はアラビア海に面しているのが特徴なのだが、このアラビア海、よく言えばココア色、悪く言えば泥水。そんな海に向かって只管ダイブする若者たちに遭遇。観客に金をせびるわけでもなく、カメラを向けると親指を上に立て、笑顔でダイブしていく。一心不乱に繰り返し繰り返し。
しばらくすると警官らしき人が来て注意され、追い払われていた。パフォーマンスだとしても拍手と小銭を送りたいほど楽しませてもらったのだが、一体なんだったのだろう。
もう何かにやりきれなくなったら、人生に切羽詰って印度に来る若者がいたら、このムンバイダイブをお勧めする。何かが吹っ切れるに違いない。そんな晴々としたダイブ。
印度人嘘つかない。印度人は空を飛べる。
単焦点狭角レンズでは捕らえ損ねるほどの見事な飛翔。
スキーのジャンプ競技のラージヒルを彷彿。カメラ目線なのがニクイ。
水面ウォーク。