良きNPO経営者としての素養

ハジメさんの話を聞いていて思ったこと。良きNPO運営者としての素養は良き経営者の素養と変わらないのだな。

例えば、日本ではかつてのUFOキャッチャーブームから各家庭に捨てられずにいるぬいぐるみが溢れている。その一方でフィリピンではキャラクターのぬいぐるみを買うことは難しい。そこで日本でいらなくなったぬいぐるみを集め、フィリピンに運ぶ。そして施設で運営するクリーニング屋を利用したお客さんにぬいぐるみをプレゼントする。よりクリーニング屋を利用してもらえば、売り上げが増えるし、働く子供たちの経験を積むことにもなる。ニーズとニーズ、リソースとリソースをうまく組み合わせて価値を創造していく。

個人の利用客は少なく、ホテルなどの法人利用が殆どなそうなので、ぬいぐるみがトライアルを得る為のツールとして最適かはわからない。別のぬいぐるみの使い方もあるかもしれない。ただ、ここで言いたいのは寄付を単に配るという消費的な使い方をせず、自給自足していくためのビジネスプロセスに乗せて活用しているということ。寄付を運営費に当てるのではなく、寄付をビジネスモデルに組み込んで持続性を持たせる。あるいは寄付を投資してビジネスを立ち上げる。それにより、毎年の寄付金の増減に左右される脆弱な運営から離れられる。とても経営者的な視点だ。

NPO運営者の最も有用な時間の使い方は、事業活動を考えることであって企業に賛助金を強請って回ることではない。そういう意味で寄付金を運転資金にせず、あくまで投資資金にする観点はとても正しいと思う。