早朝Yoga@The Farm

朝6時に起床。外に出ると、ヤシの細かい切れ目から陽が朝靄を照らす。ほんのりと肌寒くて身が引き締まる。

6時半から道場で瞑想をする。うっすらと目を開けると目の前には開けた芝生と池に映る椰子と青空と遠方に聳える山。瞑想はどこでもできるものなのだろうけれども、こういったシンプルで清々しい環境に身を置けると素人には有難い。邪念だらけの身には雰囲気も大事だ。

ヨガは基本的な動作をゆっくりとやるに留まるものだったが、終了後にはほのかに汗ばむほどに体が温まる。緩やかな動作というのはその間に体幹をしっかりと安定させてバランスを取らないといけないので、自分のコアマッスルの弱さと体のバランスの悪さをはっきりと知覚する。これが体と対話するだとか、自分の体を知るということなのかね。

ヨガの先生が耳元で呼吸を聞かせてくれる。峠のトンネルを風が吹き抜けるような「コォォォォォ」という長い長い息の音が聞こえる。こんなにも深い息ができるものなのか。人体は不思議だ。
息を喉に当てて音を立てると、音に意識を集中させることができるとアドバイスを頂いた。実践してみると、ただ呼吸するよりも意識が集中しやすく、吸う息、吐く息の長さを均一に保ちやすい。目から鱗。おかげで呼吸が深くなった。

ヨガは楽しいかも。時間というものは無為に過ごしてしまいがちだ。買物しようにも1時間しかないと諦めることも多い。大きな会議まで残り1時間しかないと、「ああ、もう1時間しかない」などと切羽詰った気分になることすらある。生活の中の1時間なんて、記憶さえ残らずに流れ去っていく中途半端な合間の時間でしかなかったりする。だけれども、他の一切を遮断してヨガに耽るだけで、1時間を子供の頃に感じたような長い本来の1時間として感じることが出来る。時間感覚を取り戻すのにもヨガは良い。