料理

懐石風ですなんて言っていたけれども、期待を大きく超えてきた。箱根湯元の立地上、山の料理かと思いきや刺身も美味しい。考えてみたら小田原まで車で15分やそこらなのだから新鮮な魚介類が来るのである。

どれも繊細で味わい深く、京都の割烹料理屋で頂く食事と遜色ないように思えた。大和芋、ミニ大根、京人参なんかの根菜類を丁寧に調理してくれている軽さがたまらない。大徳寺麩というのも美味しかった。大徳寺納豆同様、京都の大徳寺で作っているのだろうか。知識はさほどないのだけれども、盛られる器も線が細く淡い色合いの藍染が中心で好みだった。

前菜 蟹姿鮨、天豆白羽揚げ、烏賊黄身焼き、河豚竜田揚げ、鴨ロース煮、ミニ大根

吸物 青海苔、甘鯛若狭焼き、結び三つ葉、順才、透かし大根

造物 三点盛り、あしらい一式

焼物 寒鰤西京漬、大和芋、蒸し雲丹、京人参、丸十

煮物 天蕪旨煮、車海老芝煮、ふかひれ、菜の花、銀杏、針柚子

揚物 蟹杏仁揚げ、小茄子、ピーマン、薬味、天出汁、檸檬

酢物 車海老雲丹びんろう掛け、千社唐、蕪、大徳寺麩、いかり防風、土佐酢

止椀 なめこ三つ葉

香物 三点盛り

水菓子 苺、グレープフルーツ ゼリー掛け


けして不潔ではないが随分と時代の経ったこの御櫃からよそう御飯もまた格別だった。この御櫃、もう少しで持ち帰るところだった。