地震

どうやらミンドロ島沖で25日の1時半頃、M6.1の地震があったようで、マニラではM4程度の揺れが感じられたそうだ。

昼食時間に会議が入ってしまったので1時過ぎに遅いランチをグロリエッタの中で取っていたのだが、ふと疲れてフラフラしているのか酔うようなうねる様な揺れを感じた。少し贅沢にJipanのラーメンを啜っている最中だったので辛うじて揺れを感じとれたが、歩いている人は誰一人として気づかなかったようだ。

普段となんら変わることの無い状況の中をオフィスに戻ると、大勢の同僚に出くわした。揺れを感じ、一応問題は無いという連絡を受けたものの念を押して皆非難したのだそうだ。しかしエレベーターで降りてきたなどと言っているのだから、のんびりとしたもんだ。

フィリピン人のなかにはフィリピンには地震が無いなんてことを言う者もいるが、環太平洋造山帯に位置し幾つもの活火山を有するフィリピンが地震に無縁なわけが無い。ルソン島ミンドロ島においても1994年に少なくとも死者78、負傷者255人を数えた、津波を伴うM7の地震がおきている。ミンドロ島では家屋全壊797、半壊3,288、ルソン島バタンガスで全壊7を数え、震源地近傍では液状化や地表断層が発生している。またその数年前の1990年にはルソン大地震と呼ばれる1621人の死者を出したM7.8の地震が起きている。48時間に渡ってバギオの都市は隔絶され、多数の建造物が倒壊したらしい。上記はいずれもフィリピンの僻地の島で起きたことではなくマニラ有するルソン島で起きた地震である。

建設中のコンドミニアムを見る限り耐震構造であるようには見えない。鉄筋コンクリートの各フロアを作った後はブロックで壁を造っているだけだ。我が住まいのコンドミニアムなど特に、曲線や直線を組み合わせたデザイン重視の概観は耐震性をさげる構造そのものである。M7規模の地震がマニラを直撃した日には潔く諦めるしかあるまい。

ちなみに39階の住まいに地震当時にいた嫁さんは何も感じなかったという。日本の耐震設計の基本思想は柔軟構造で建物が揺れることで地震エネルギーを逃がし、倒壊リスクを下げることだと何かで聞き齧ったが、それに照らせば揺れないコンドミニアムというのも怖いシロモノである。

ちなみに地震前後に嫁さんの気づかぬ間に、マンゴーが居間に立派な大便を放ったそうな。犬なりに地震から生じた電磁波やらを感じ取ったのだろうか。