種無しマンゴー

そう書くと「種無し葡萄」や「種無し西瓜」のような食べやすく品種改良された果物のように聞こえるが、今回は愛犬の話。いや、まてよ。果物のマンゴーの種は非常に大きくて除去するのが面倒くさい。三枚に下して取り除くのだが、種の周辺の果肉がロスとなってしやすい。もし種無しマンゴーという品種を作出できたならば、大きなビジネスチャンスとなるのでは無いだろうか。特に加工用マンゴーが用意に機械処理できるようになる。ひょっとして誰かが取り組んでいるかもしれない。

愛犬マンゴーは無事手術を乗り切った。病院からつれて帰ろうとしたのだが、会計係がいないので連れ帰れないという。問題は手付金を除いた残金を入金処理できないからであるらしい。そこで、大目にお金を置いておくから釣りは後日返金してくれとお願いしてみたところ、それならば構わないという。フィリピンでは普通な話で、費用を払わなければ退院はできない。出産後、親の分と子の分と別々に請求され、払えないと病院内に拘束されるらしい。

無事帰ってきたマンゴーはえらく静かだった。病院から連れ出してくれた飼主に嬉々として尻尾を振ってくれるかと思ったが、反応が薄い。顔を近づけてもそっぽを向く始末。どうやら病院に入れられ腹を切られたことから飼主に不信感があるようだ。その気持ち、わからんでもない。その間、飼主はダイビングにヨガにとウツツを抜かしていたものな。申し訳ない。

腹の毛を剃られ、陰茎沿いに長い手術痕が残る。睾丸が表皮まで出てきていたならば摘出も楽だったのだろうが、全く胎内に潜ったままだったので、もしかしたら、睾丸を捜すために広く切らざるを得なかったのかも知れない。しばらくは抗生物質の12時間毎の投与が続く。無事、快活で悪戯好きなマンゴーに戻ってくれると良いのだが。

手術は1日で終わる。病院からはその日のうちに退院させられることもできると聞いた。費用は12,000ペソ程度。仔犬の購入費が9000ペソであることを考えると高い。一般的に、無料で譲り受けた犬や拾った犬に12,000ペソも腹って去勢避妊手術をする飼主など小数だろう。野良犬が増えるのもわからんでもない。4日ほどして抜糸しに行く必要がある。フィリピンで適切に犬を飼うのはそれなりに金がかかる。ちなみに術後は当然体を洗えないので、術前にグルーミングをしておいてもらって正解だった。

何はともあれ、無事で何より。