打たれ弱さ

フィリピン人の部下を持つ先輩から相談された。改善点を指摘すると、見るからに凹んでしまうのだという。果たしてそれはフィリピン人の国民性故なのか、自分が厳しくしすぎているのか意見を聞きたいという。

確かに自分の評価が予想以上に低いことを告げられてその場で大泣きしたという課長の話には驚いた。個室で上司との面談中に泣いている例は何度となく見ているし、部下が新婚旅行先に泣きながら半パニックで電話をしてきたこともある。同僚からの批判にはムキになって否定するが、上司からの指摘には支離滅裂で中途半端な言訳をしてがっくりと落ち込んでしまうと未熟で打たれ弱い印象が残りがちだ。感情的になりやすいというのはフィリピン人の傾向として当てはまるかもしれない。中流家庭出身ですら乳母や女中に甘やかされ、日本の上下関係が厳しい部活動や、韓国などの徴兵制もないことを思えば、仕方がないようにさえ思う。

「男泣き」などと泣くことを人間味の一発露として受け入れる土壌がある日本ならまだしも、リコール問題に即してトヨタ社長の謝罪の涙を単なる経営者の弱さとして断じた欧米メディアを思うと、やはりフィリピンは片一方の極端にあるのかもしれない。

小生の思うところは

  • 欧米人、中国人、印度人にもまれてやっていく必要がある以上、指摘を冷静に受け止められる精神的成熟は必要。
  • 打たれ続ければ何人だろうと打たれ強くなる。入社して1年目で監査で揉まれて強くなったフィリピン人部下もいる。
  • 明瞭に改善点を指摘したほうがその人は伸びる。気持ちよく働いてもらうべく煽てて成長しないうえに勘違いされると目もあてられない。
  • その一方で恥や体面に敏感な文化を配慮して人前では怒らない。
  • なぜ改善する必要があるのか、あなたは優秀で改善できると思っているから伝えているといった類のフォローアップにも時間をかける。いや、これがなんとも面倒臭いのだが。